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肩の痛み、腕が上がらない…もしかして腱板損傷?原因・症状・治療・リハビリを徹底解説

「肩を動かすと痛みがある」「腕を上げようとすると力が入らない」「夜中に肩の痛みで目が覚める」といった症状でお悩みではありませんか?それは、腱板損傷かもしれません。腱板損傷は、肩の痛みや機能低下を引き起こす一般的な疾患です。この記事では、腱板損傷の原因、症状、診断、治療、リハビリについて詳しく解説します。




腱板とは?

腱板とは、肩甲骨と上腕骨をつなぐ4つの筋肉(棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋)とその腱の集まりです。肩関節の安定性を保ち、腕を上げたり回したりする動作に重要な役割を果たしています。




腱板損傷とは?

腱板損傷とは、これらの腱の一部または全部が断裂または損傷した状態を指します。損傷の程度は、部分断裂から完全断裂まで様々です。




腱板損傷の原因

腱板損傷の原因は大きく分けて2つあります。

  • 加齢による変性(変性断裂): 加齢とともに腱の組織が弱くなり、些細な動作や外力で断裂しやすくなります。これが最も一般的な原因です。
  • 外傷(外傷性断裂): 転倒やスポーツなどで肩に強い力が加わることで腱が断裂します。

その他、以下のような要因も腱板損傷のリスクを高めると考えられています。

  • 肩の使いすぎ(オーバーユース)
  • 不良姿勢
  • 喫煙
  • 遺伝的要因




腱板損傷の症状

腱板損傷の主な症状は、以下のとおりです。

  • 肩の痛み:特に腕を上げたり、後ろに回したりする際に痛みを感じます。夜間痛も特徴的です。
  • 腕の挙上困難:腕を上げようとしても力が入らない、または途中で力が入らなくなることがあります。
  • 肩の筋力低下:肩周りの筋肉が弱くなり、力が入りにくくなります。
  • 肩の可動域制限:肩の動きが悪くなり、動かせる範囲が狭くなります。

ただし、損傷の程度や個人差によって症状は異なります。軽度の損傷では、軽い痛みや違和感程度の場合もあります。




腱板損傷の診断

腱板損傷の診断は、医師による問診、身体診察、画像検査(レントゲン、MRIなど)によって行われます。

  • 問診: 症状、発症時期、受傷機転などを詳しく聞かれます。
  • 身体診察: 肩の可動域、筋力、特定のテスト(例:ドロップアームテスト)などが行われます。
  • 画像検査: レントゲンでは骨の状態を確認し、MRIでは腱の状態を詳しく確認することができます。




腱板損傷の治療

腱板損傷の治療は、保存療法と手術療法があります。

  • 保存療法:

    • 安静:患部を安静に保ち、炎症を抑えます。
    • 薬物療法:痛みや炎症を抑えるために、鎮痛剤(湿布、内服薬)、ステロイド注射などが行われることがあります。
    • リハビリテーション:肩の可動域を改善し、筋力を回復させるための運動療法を行います。

    保存療法は、軽度の損傷や高齢者、手術を希望しない場合などに選択されます。

  • 手術療法:

    • 腱板を縫合する手術が行われます。手術方法には、関節鏡視下手術と直視下手術があります。

    手術療法は、完全断裂、保存療法で改善が見られない場合、スポーツ復帰を強く希望する場合などに選択されます。




腱板損傷のリハビリテーション

リハビリテーションは、腱板損傷の治療において非常に重要な役割を果たします。保存療法の場合も、手術療法後の場合も、リハビリテーションによって肩の機能回復を目指します。

リハビリテーションの内容は、段階に応じて異なります。

  • 急性期(炎症期): 痛みや炎症を抑えることを目的とした安静、アイシングなどが行われます。
  • 回復期(拘縮期): 肩の可動域を改善するためのストレッチや関節を動かす運動が行われます。
  • 機能回復期: 筋力トレーニングなどを行い、肩の機能を回復させます。

リハビリテーションは、理学療法士などの専門家の指導のもと、適切なプログラムで行うことが重要です。




医療機関への受診について

肩の痛みや腕の挙上困難などの症状が続く場合は、整形外科を受診することをおすすめします。早期の診断と適切な治療が、早期回復につながります。

注意事項

  • この記事で紹介した情報は、あくまで一般的な情報であり、すべての人に当てはまるわけではありません。
  • 症状が改善しない場合は、自己判断で対処せず、必ず医師に相談してください。
  • 当サイトは医療情報を提供することを目的としていますが、診断や治療を行うものではありません。
  • 市販薬を使用する場合は、添付文書をよく読んでから使用してください。




まとめ

腱板損傷は、適切な治療とリハビリテーションを行うことで、症状の改善や機能回復が期待できる疾患です。肩の痛みでお悩みの方は、早めに医療機関を受診し、適切なアドバイスを受けるようにしましょう。

2025/01/26