側弯症(そくわんしょう、Scoliosis)とは、脊椎が異常に側方に曲がっている状態を指します。通常、脊椎は前後に曲がることなくまっすぐな状態を保っていますが、側弯症の場合、脊椎がS字型またはC字型に曲がります。この曲がりが一定の角度を超えると、周囲の筋肉や内臓に影響を与える可能性があります。
側弯症は、発症する時期やその原因によって、いくつかの種類に分類されます。
特発性側弯症
先天性側弯症
神経筋性側弯症
後天性側弯症
側弯症の原因は多岐にわたりますが、最も一般的な原因は特発性側弯症で、具体的な原因は解明されていません。しかし、遺伝的要因が関与している可能性が高いとされています。さらに、脊椎の発育異常、神経や筋肉の疾患、骨の成長不全などが側弯症を引き起こす原因として挙げられます。
側弯症の初期段階では、症状がほとんど現れないことが多いです。しかし、曲がり具合が進行すると、次のような症状が現れることがあります。
側弯症の診断には、以下の方法が用いられます。
軽度の側弯症の場合、治療は必ずしも必要ではありません。特に成長が終わった成人の軽度な側弯症では、経過観察が選択されることが多いです。定期的な診察とX線検査を通じて、進行の有無を確認します。
成長段階にある子供や思春期に発症した側弯症に対しては、装具(コルセット)を使用することがあります。コルセットは脊椎の曲がりを抑え、進行を防ぐ目的で使われます。装具療法は、特にコブ角が25度以上で、成長がまだ続いている場合に効果的です。
側弯症が進行して重度になった場合や、痛みや呼吸困難などの症状が生じた場合には、手術が検討されることがあります。手術では、脊椎を矯正するために金属のプレートやスクリューを使用することがあります。手術後はリハビリが必要となります。
理学療法や運動療法は、側弯症によって引き起こされる筋肉の緊張を和らげ、姿勢を改善するために有効です。運動を通じて背筋を強化し、柔軟性を保つことが、進行を防ぐために重要です。
側弯症の予防は完全には難しいですが、早期発見と適切な治療が重要です。また、生活習慣の改善や姿勢の見直しも予防に寄与します。
近年の研究では、側弯症における遺伝的要因が注目されています。例えば、特発性側弯症の発症には、特定の遺伝子変異が関与している可能性があることが示唆されています。2017年の研究(Huang et al.)によると、側弯症の進行に関与する遺伝子がいくつか同定され、今後の治療法に対する新たなアプローチが期待されています。
また、治療法においても、ロボット支援手術や最小侵襲手術の技術が進化しており、患者への負担を減らすとともに、手術の成功率を高めることができます。
側弯症は、早期に発見し適切に対応すれば、進行を防ぎ、症状を改善することが可能です。軽度の症例であれば、経過観察や装具療法で対応でき、重度の場合には手術が必要になることがあります。症状が進行する前に早期に診断を受け、治療を開始することが最も重要です。
2025/02/26