耳鳴り(耳鳴り症、Tinnitus)とは、実際には外部の音がないにもかかわらず、耳の中で音が聞こえる症状です。音の内容はさまざまで、例えば、ジーッという音、シーッという音、またはザーザーという音などがあります。耳鳴りは一時的に起こる場合もあれば、長期的に続く場合もあります。
耳鳴りは、患者にとって非常に不快で、日常生活に支障をきたすことがあるため、その原因と治療法を正しく理解することが重要です。
耳鳴りには、次の2種類があり、それぞれに原因や治療方法が異なります。
主観的耳鳴り:
客観的耳鳴り:
耳鳴りの原因は多岐にわたり、しばしば複数の要因が重なることもあります。主な原因は次の通りです。
音響外傷
加齢による聴力低下(老人性難聴)
耳の感染症や炎症
耳垢の詰まり
血流の異常
ストレスや心理的要因
薬剤の副作用
耳鳴りの主な症状は、実際には存在しない音が耳の中で聞こえることです。音の性質は個人差があり、以下のような音が聞こえることがあります。
また、耳鳴りの症状は次のような特徴を持つことがあります。
耳鳴りが発生した場合、まずは医師による診断が必要です。診断方法には、次のようなものがあります。
聴力検査
耳の視診
CTスキャンやMRI
血流の検査
耳鳴りの治療法は、その原因に応じて異なります。主な治療法は以下の通りです。
耳鳴りが引き起こされる原因が炎症や感染症である場合、抗生物質や抗炎症薬が処方されることがあります。また、ストレスが原因の場合には、抗不安薬や抗うつ薬が役立つことがあります。
音響療法は、耳鳴りの音を外部の音で覆うことで、耳鳴りの不快感を軽減する治療法です。白色雑音や自然音(雨音、波音など)を使った音響療法が効果的なことがあります。
認知行動療法(CBT)は、耳鳴りに対する患者の認知や反応を変えることで、症状を和らげる心理療法です。ストレスや不安を軽減することで耳鳴りの改善が期待できます。
耳鳴り専用の装置を使って、耳鳴りの音を軽減することができます。これにより、耳鳴りの不快感が和らぐことがあります。
耳鳴りの原因が耳の構造に関係する場合(例えば、耳の中に異物が詰まっている場合など)には、外科手術が検討されることがあります。
近年の研究では、耳鳴りの治療に関していくつかの進展があります。例えば、2018年の研究(O’Reilly et al.)では、音響療法と認知行動療法を組み合わせた治療法が、耳鳴りの症状を効果的に軽減することが示されています。
また、神経科学の分野でも、新しいアプローチとして、音響刺激や脳の神経回路を刺激する治療法が試されています。これらの治療法は、耳鳴りを引き起こす神経活動の異常を調整することを目的としています。
耳鳴りの予防には、以下のような対策が有効です。
耳鳴りはその原因が多岐にわたり、治療法も原因に応じて異なります。しかし、早期に診断を受け、適切な治療を行うことが最も重要です。また、ストレスや過剰な騒音を避けることが予防に繋がります。最新の治療法や研究を活用し、耳鳴りを和らげる方法を見つけていくことが、生活の質の向上に繋がるでしょう。
2025/02/27