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手指のしびれ、その特徴と原因

はじめに

手指のしびれは、多くの人々が日常生活で経験する症状の一つで、軽度なものから慢性的なものまでさまざまな状態があります。しびれは、単なる不快感にとどまらず、生活の質を大きく低下させることもあります。この記事では、手指のしびれが引き起こされる原因、症状、診断方法、治療法、予防法について、最新の研究や医学的な知見に基づいて詳しく解説します。さらに、しびれが続くことによって考えられる重大な疾患についても触れ、早期に対処することの重要性についても考えます。

1. 手指のしびれの原因

手指のしびれは、さまざまな原因によって引き起こされます。以下に、主な原因をいくつか挙げ、それぞれについて説明します。

1.1. 神経の圧迫

手指のしびれの多くは、神経が圧迫されることによって引き起こされます。この圧迫が原因で、神経の伝達が障害され、しびれや痛みが生じます。圧迫が起こる場所や原因に応じて、症状の現れ方が異なります。

  • 手根管症候群: 手首の内側にある「手根管」という部分で、正中神経が圧迫されることにより手指にしびれが生じます。手首をよく使う人や、長時間同じ姿勢を取る人に多く見られます。特に親指、人差し指、中指にしびれが出やすいです。
  • 頸椎椎間板ヘルニア: 首の部分にある椎間板がヘルニアを起こすと、神経が圧迫され、手指にしびれや痛みが放散することがあります。これには、腕や肩に痛みが伴うこともあります。

1.2. 血流不足

血流が不足すると、手指に酸素や栄養が届かなくなり、しびれを引き起こすことがあります。以下のような状態が血流不足を引き起こす原因となります。

  • 動脈硬化: 血管が硬化し、血液の流れが悪くなると、しびれを引き起こすことがあります。高血圧や高血糖などが原因となることが多いです。
  • レイノー病: 血管が異常に収縮して、指先に血液が十分に供給されなくなる疾患です。寒い場所やストレスが引き金となることがあります。

1.3. 糖尿病

糖尿病が進行すると、血糖値が高い状態が続き、神経が障害を受けることがあります。これを糖尿病性神経障害と呼び、手足にしびれを感じることがよくあります。この場合、しびれは通常、手や足の指先に感じられ、時間とともに悪化することがあります。

1.4. ビタミン不足

ビタミンB群、特にビタミンB1やB12の不足が神経に影響を与え、しびれを引き起こすことがあります。これらのビタミンは神経の健康に重要な役割を果たしており、不足することで神経障害が生じることがあります。

1.5. その他の疾患

手指のしびれは、以下の疾患や状態にも関連していることがあります。

  • 多発性硬化症: 神経の軸索を覆っている髄鞘が障害される疾患で、手指のしびれや痺れを引き起こすことがあります。
  • 脳卒中(脳梗塞・脳出血): 脳の血流が一時的または永続的に遮断されることで、手指にしびれを感じることがあります。

2. 手指のしびれの症状

手指のしびれは、症状の現れ方が人それぞれ異なりますが、一般的な症状としては以下のものがあります。

  • 感覚の鈍化: 手指がうまく動かせない、または触っても感じない、という感覚が生じます。
  • チクチクとした痛み: しびれと共に、チクチク、ビリビリとした痛みを感じることがあります。
  • 力が入りにくい: 手指の力が入らず、物を持ちづらい、またはつかむのが難しいといったことがあります。
  • 夜間に症状が悪化: 手首や手の位置が影響する場合、寝ている間に症状が強くなることがあります。特に手根管症候群では夜間にしびれがひどくなることがあります。

3. 手指のしびれの診断方法

手指のしびれが続く場合、早期の診断が重要です。診断には、以下の方法が用いられます。

3.1. 医師による問診と身体検査

医師は、症状の発症時期、しびれが生じた場所、伴う症状(痛みや感覚の変化など)について詳しく問診します。また、神経や血管の状態をチェックするために、身体検査を行うこともあります。

3.2. 画像検査

  • X線検査: 骨の異常を確認するために使用されることがあります。
  • MRI: 神経や椎間板の状態を詳しく調べるために使用され、特に頸椎ヘルニアや手根管症候群が疑われる場合に役立ちます。
  • 超音波検査: 手根管症候群など、血流や神経の圧迫を調べるために使われることがあります。

3.3. 神経伝導検査

神経伝導速度を測定する検査で、神経の伝達速度が遅くなっている場合、神経障害があることが確認されます。手指のしびれの原因として、糖尿病性神経障害や手根管症候群が考えられる場合に有用です。

4. 手指のしびれの治療法

手指のしびれの治療は、原因に応じて異なります。一般的な治療法を以下に挙げます。

4.1. 保存療法

  • 薬物療法: 鎮痛剤や抗炎症薬、神経障害に対する薬(神経保護剤など)が使用されます。
  • 物理療法: 手首や頸部の姿勢を改善するためのストレッチやリハビリが有効です。
  • コルセットや装具の使用: 手首や首のサポートを行い、神経の圧迫を軽減します。

4.2. 外科的治療

保存療法で改善しない場合や症状が重度である場合には、外科的な介入が必要になることがあります。例えば、手根管症候群では手術によって圧迫を解放することがあります。

5. 生活習慣の改善と予防

手指のしびれを予防するためには、生活習慣の改善が重要です。以下のポイントに注意しましょう。

  • 姿勢の改善: 長時間同じ姿勢でいることを避け、適度に体を動かしましょう。
  • 適度な運動: 手指や首のストレッチを行い、血流を促進します。特に手首や肩、首の筋肉を強化するエクササイズが有効です。
  • 栄養の摂取: ビタミンB群を豊富に含む食事(魚、肉、卵、緑葉野菜など)を心掛け、神経の健康をサポートします。

6. 結論

手指のしびれは、神経の圧迫や血流不足、糖尿病、ビタミン不足など、さまざまな原因によって引き起こされます。症状が軽度であれば、生活習慣の改善や保存療法で対処できますが、重症化する前に早期に医師の診断を受けることが重要です。しびれの原因を突き止め、適切な治療を行うことで、症状の改善が期待できます。

2025/03/03