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脊椎の靱帯が骨になる?後縦靱帯骨化症・黄色靱帯骨化症の基礎知識

当院にもいらっしゃいますが、背骨の中を通る神経を保護している靱帯が、骨のように硬くなってしまう病気、それが後縦靱帯骨化症(OPLL)と黄色靱帯骨化症(OLF)です。

これらの病気は、脊髄を圧迫し、様々な神経症状を引き起こす可能性があります。

この記事では、これらの病気の原因、症状、治療法などを詳しく解説します。

1. 後縦靱帯骨化症(OPLL)とは?

後縦靱帯は、椎体の後ろ側を縦に走る靱帯です。

OPLLは、この靱帯が骨化(骨のように硬くなること)し、脊髄を圧迫する病気です。

主に頸椎に発症し、進行すると手足のしびれや麻痺、歩行障害などを引き起こすことがあります。

2. 黄色靱帯骨化症(OLF)とは?

黄色靱帯は、椎弓(椎体の後ろ側にある骨)の間にある靱帯です。

OLFは、この靱帯が骨化し、脊髄を圧迫する病気です。

主に胸椎に発症し、進行すると下肢のしびれや麻痺、歩行障害などを引き起こすことがあります。

3. 原因

OPLL、OLFともに、原因はまだ完全には解明されていません。

しかし、以下の要因が関与していると考えられています。

  • 遺伝的要因: 家族内で発症しやすいことから、遺伝的な要因が考えられています。
    • 特定の遺伝子とOPLLの発症との関連性を示唆する研究も報告されています。(文献:Ikegawa, S. (2018). "Genetic studies of ossification of the posterior longitudinal ligament of the spine." Journal of Orthopaedic Science, 23(1), 1-6.)
  • 環境的要因: 食生活、生活習慣、外傷などが関与している可能性も指摘されています。
  • 糖尿病: 糖尿病患者は、OPLLを発症しやすいことが知られています。

4. 症状

OPLL、OLFの症状は、骨化の程度や脊髄の圧迫具合によって異なります。

初期には無症状のこともありますが、進行すると以下のような症状が現れることがあります。

  • 手足のしびれや痛み
  • 筋力低下
  • 歩行障害
  • 排尿・排便障害(重度の場合)

5. 検査・診断

OPLL、OLFの診断には、以下の検査が行われます。

  • レントゲン検査: 骨化の有無や程度を確認します。
  • CT検査: 骨化の範囲や脊髄の圧迫具合を詳しく調べます。
  • MRI検査: 脊髄の状態や神経の圧迫具合を確認します。

6. 治療法

OPLL、OLFの治療法は、症状の程度や進行具合によって異なります。

  • 経過観察: 軽度の場合は、定期的な経過観察を行います。
  • 薬物療法: 痛みやしびれなどの症状を緩和するために、薬物療法を行うことがあります。
  • 装具療法: 頸椎装具などを用いて、頸椎の安静を保ちます。
  • 手術療法: 脊髄の圧迫が強い場合や、症状が進行している場合は、手術を行います。

7. 日常生活での注意点

OPLL、OLFと診断された場合、日常生活で以下の点に注意することが大切です。

  • 姿勢: 正しい姿勢を保ち、背骨への負担を減らしましょう。
  • 運動: 症状に合わせた適切な運動を行い、筋力維持に努めましょう。
  • 転倒予防: 転倒による脊髄損傷を防ぐため、注意して行動しましょう。
  • 定期的な受診: 定期的に医師の診察を受け、症状の進行具合を確認しましょう。

8. 最新の研究

OPLL、OLFに関する研究は、現在も世界中で進められています。

  • 遺伝子治療: 遺伝子治療による根本的な治療法の開発が進められています。
  • 再生医療: 骨化した靱帯を再生する治療法の研究が進められています。
  • 手術法の進歩: より低侵襲で安全な手術法の開発が進められています。

9. まとめ

OPLL、OLFは、進行すると日常生活に支障をきたす可能性がある病気です。

早期発見・早期治療が重要ですので、気になる症状があれば、早めに専門の医師に相談しましょう。


免責事項

このブログ記事は、一般的な情報提供を目的としており、医学的なアドバイスを提供するものではありません。

OPLL、OLFに関する具体的な治療法やアドバイスについては、必ず専門の医師にご相談ください。

2025/04/02